講演会「フッ素がいいのは、なしか?」

2005年2月27日(日曜)、13時から15時45分まで、トキハ会館5階ローズの間
にて、大分県歯科医師会主催でフッ素のお話がありました。

プログラム
1,朝日新聞編集委員、田辺氏
2,鳥栖小学校校長 酒井先生
3,福岡歯科大名誉教授、境先生


3名が、ひとりずつ講演されたあと、シンポジュウムがあり、
最後に会場から質問を受けました。

質問;どうして小学校で集団でフッ素洗口をやらないといけないのでしょうか?
回答;歯科医院でフッ素洗口を継続できているのは5%、
うまく継続できている歯科医院でも60%以下と言われています。
フッ素は継続しなければ意味がない、 学校単位で行うのが望ましい。
(当院、藤原歯科でも矯正の患者さんのフッ素洗口継続率は高いが、・・・。)

質問;フッ素配合の歯磨剤を使えば、フッ素洗口までする必要はないのでは?
回答;日本全国の県別の小学生のむし歯の本数を見ると、
フッ素洗口に積極的な新潟県などは明らかにむし歯が少ない。
フッ素配合の歯磨剤は全国で売られています。
フッ素洗口に効果があるのは明らかです。

「フッ素は危険ではないか」と質問された内科医に対して、
福岡歯科大名誉教授、境先生が、
「厚生労働省やWHOが、10年以上も前から、それに対する回答を用意しています。
時間がないので、今すべてを説明できませんが、以下のHPを読めば、
(用法・容量さえ守っていただければ)フッ素は安全だということが分かります。
今日は、その資料を1部しか持ってきてないので、質問者に差し上げましょう。」
と答えられました。

水道水フッ素化と虫歯予防

日本むし歯予防フッ素推進会議

宮崎県地域保健活動推進協議会     

山本武夫先生のホームページ

長崎フロリデーション協会

今回、以下のような質問はありませんでしたが、
「フッ素洗口や、水道水のフッ素化に反対しているのは歯科医師では?」
別冊宝島という雑誌に、むし歯が減るから歯科医師が反対している、
と書いてあるのを見たことがありますが、
そんなことはないと思います。
それなら、今回このような講演会をしないでしょう。
実際、確実にフッ素で、むし歯は減ります。

小学校などで、フッ素洗口をしようとすると、必ず反対する方がいます。
そのため、なかなか広まりません。
佐賀県の鳥栖小学校で実施され、その後、鳥栖市内のすべての小学校で
フッ素洗口が広まったのは珍しいケースです。
鳥栖小学校校長、酒井先生の良いことはすぐに実行に移そうという
やる気がなければ、うまくいきません。
(鳥栖小学校の中でも全員の子供がフッ素洗口をしているわけではありません。
フッ素洗口したくないという考えの保護者の意向を尊重して、
いじめになったりしないように、しない子は水でうがいをしています。)

何かあったら誰が責任を取るのか?という責任論、
誰かがやってくれるだろう、でも私は協力しないという無関心が
良いことをやろうとしても足を引っ張っているのかもしれません。

質問「信じても良い情報と信じてはいけない情報の見分け方は?」
田辺さんの答え「とても難しい質問です。自分で見る目を養わないといけません。
新聞に載っているからといって、すべて正しいわけではありません。
日本は、とても、おかしい国です。
・ハンセン病は隔離の必要はないと、WHOでは、ずっと前から言われていたにも
かかわらず、つい最近まで隔離していました。
・1県に1校、医科大学を作ったら、医師過剰となるのは、作る前から
わかっていたはず。
・少子高齢化になって困ることになるというのは、実は30年以上前から
分かっていたことなのに対策を考えてこなかった。
・フッ素は正しい使い方をすれば、WHOでは、害はないといっているにもかかわらず、
厚生労働省が見解を出したのは、最近になってからです。」



以下、講演抄録です。

1,朝日新聞編集委員、田辺氏の講演抄録

むし歯予防のフッ素には根強い反対があります。
新潟大学予防歯科がフッ素洗口を始めた1970年代から消費者グループには
不安感がありました。
もっともな点もあります。
日本の薬の認可は非常に甘く、効き目があいまいで、後で無効だと取り消される
例も少なくありませんでした。
また、副作用が少ないはずなのに、何度も大きな薬害事件を起こしています。
豆腐などの殺菌料AF2から次々と食品添加物の毒性や発がん性がクローズアップ
されました。
フッ素の登場はタイミングが悪かったことは事実です。
その時期、消費者運動では
神様のような存在だった高橋こう正・東大講師がフッ素の毒性や発がん性を強調
したことが大きな影響を与えたと思います。

人間は個人差が大きいので、薬の効き目や副作用の判定は非常に難しいのです。
多数の人を使い、しかも統計的な推計をします。
高橋さんは日本の医療現場にそうした考えを普及させた立役者です。
どんなものにも利益を危険(リスク)はあり、そのバランスが大切ですが、
高橋さんは後年、リスクを最大に評価するようになりました。
とくに、健康人が飲食するもの、
たとえば、食品添加物は少しでも有害の可能性があれば使うべきではないとの考えで、フッ素や経口避妊薬ピル、アミノ酸のリジンなども同様の扱いから反対された
わけです。
しかし、国際的には利益と危険を総合評価する方向で、特にフッ素の役割は大きく
評価されています。 


3,福岡歯科大名誉教授、境先生の講演抄録

歯科保健におけるフッ化物の応用は、ここ数十年におよぶ膨大な研究に支えられて
国際的にも歯科保健上の貴意本的な施策として確固たる地位を築いてきました。
その理由は、単に高い確実な、齲蝕予防が立証されているというばかりではなく、
天然の飲料水中フッ化物濃度が適正な地域で得られた自然の知恵を応用した
水道水フッ化物濃度調整や自然の飲食物に含まれるフッ化物の日常的な摂取経験
からみた安全性の保障、高い費用対効果率に代表される経済性などが挙げられます。
そしてこれらの特徴によって支えられる優れた公衆衛生特性ゆえに、
フッ化物は広く「みんなの健康生活」を守るための公衆衛生的応用に優れている点が
強調されています。
今日我が国において8020運動が提唱されていますが、この目標達成のためには
この問題は不可欠の要素となるのです。

最近、わが国でもこの分野において進展がみられています。 
1999年、日本歯科医学会は「フッ化物応用に関する総合的見解」において
フッ化物洗口を中心としたフッ化物応用を推奨しました。
翌2000年には厚生省(現厚生労働省)は水道水水質基準内で
「議会の決議など住民合意を条件に水道水フッ化物濃度適正化の技術支援
などを行う」と発表、
日本歯科医師会は、「水道水フッ化物濃度適正化は公衆衛生的に優れた方法である」
と表明しました。
2003年の1月14日、厚生労働省は厚生労働省医政局長、健康局長連名通知として
「フッ化物洗口ガイドライン」を全国各県に通知し、フッ化物洗口を保育園や幼稚園、
学校などで集団応用できる点が大きな特徴であると位置付けました。

フッ化物応用によるう蝕予防効果と安全性に関連して、最近、問題とされる
EBM(疫学的根拠に基づいた医学)からみて評価し、解説します。
さらに、最近、適正フッ化物濃度の飲料水の日常的な飲用群で骨折頻度が低い事が
分かってきましたが、このことと、地球環境の変遷と生物の進化との関係に基づく、
とくに自然の海のフッ化物濃度からみた飲料水の適正フッ化物濃度についての考察を
すすめたいと思います。
また、最近の米国、韓国、台湾などのフッ化物応用の推進に関する状況についても
国際的な観点から紹介させて頂く予定です。

 以下に当該問題に関する参考書を掲げます。

「8020運動を推進する-わかりやすいフッ素の応用とひろめかた 第3版」
編集:飯塚喜一、境 脩、深井欣一
発行:学建書院 03-3816-3888 定価2400円 
 
(校正中のため、内容は、随時、付け足されます。)

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